BLOG

ブログ

2022/01/07

経営者に聞く!軽貨物配送業界のこれまでとこれから

新型コロナウイルス流行をきっかけに、軽貨物配送業界にどのような変化が起こったのでしょうか。そしてこれからどのような展開が予想されるのでしょうか。この先企業が生き残るために必要なことは?これらを探るために、今回、軽貨物配送業の経営者同士の対談が実現しました!

 

株式会社ストレートの代表取締役・石田智太郎さんを迎え、なでしこTOKYO株式会社の代表取締役・宮内由紀子と共に根掘り葉掘りお話を伺いました。

 

【対談】

株式会社ストレート

代表取締役・石田智太郎さん(創業9年目)

 

なでしこTOKYO

代表取締役・宮内由紀子(創業8年目)

 

1.ここ1年間の軽貨物配送業界の状況は?

石田さんー

2020年2月ごろから新型コロナウイルスの影響で外出自粛が呼び掛けられてからは、とにかく宅配需要が伸びましたよね。2021年10月を過ぎてだいぶ感染者数も抑えられてきてはいますが未だ気をつける必要がありますし、企業配送に関しては以前のような需要が戻ってきていないという現状。具体的にいうと、コロナ禍前の6割といった印象です。

なでしこTOKYOさんはいかがですか?

 

宮内ー

そうですね。うちもコロナ禍以降、宅配のご依頼が多くなり伸びています。企業配送関連では、やはりブライダル系の仕事が減りました。一方で伸びているのは薬の配達です。そして傾向としては、全体的に宅配寄りになっている印象です。

 

2.企業配送が減少している原因とは?

石田さんー

さまざまな理由があるとは思いますがやはり新型コロナウイルスの影響が大きいでしょう。リモートワークが進んだことで社員が集まる大きなスペースがいらなくなり、オフィスの縮小が進んでいることが原因ですよね。

 

実際にオフィスから人がいなくなってしまったことで、備品や消耗品の使用頻度が減少したことに起因しています。1週間に1回は休みになるなど、物量は大きく減っていますね。うちの企業配送では紙とはオフィス用品をメインに、プリンター関連用品なんかを配達することも多かったので…。

 

また、花の配送に関してはコロナが少し落ち着きを見せてきた今でも、そこまで以前のように戻ってきてはいません。株主総会といったリアルイベントが徐々に回復してくるのに併せて、少しずつ戻ってきますね。

 

宮内―

ブライダル以外でも、企業向けのお弁当の配達はリモートワークへの移行で少なくなりましたね。企業配送の当日便をやっている同業者も、取引先の経営が立ち行かなくなってしまったことで仕事が激減しているという話を聞きました。

 

3.今後需要が高まりそうな配送物とは?

石田さん―

今後需要が高まりそうな種類といえば、それこそ薬ですよね。これは法改正の後押しもあったので、薬の宅配業務は今後も増えていくでしょうね。

 

宮内―

確かに、お年寄りや体調の芳しくない方からすると薬の宅配はありがたいサービスだと思いますし、私たちが届けることで様子を伺うことができます。ただ届けるだけではなくて、配達先とのコミュニケーションも意識することで、薬の配達におけるドライバーの価値も上げられると思っています。

 

4.これからの軽貨物業界の動きはどうなっていく?

石田さん―

日本でみると、個人への宅配はアメリカや中国に比べてまだまだ利用頻度が低いのが現状ですが、今後は年々増えていくと思っています。今はまだユーザーではなかったご年配の方がネット通販を使うようになれば、もっと増えますよね。

 

このコロナ禍、企業配送の仕事が明らかに減ってしまった業種もありましたが、脈拍や動脈血酸素飽和度を計る「オキシメーター」を届けるような仕事が入ってくるなど動きはありました。物品を届ける仕事がこの先不要になるということはありませんので、その時その瞬間に発生するニーズに応えられる会社であり続けたいです。

 

宮内―

うちは、コミュニケーションに重きを置いた「なでしこTOKYO」ならではのサービスを展開していきたいです。

 

とある物流会社が、かつて「女性ドライバーの御用聞きサービス」というものをやっていたんですね。郊外など、お年寄りが気軽に買い物のできない地域を対象として電話で注文を受け、スーパーやドラッグストアをまわって買い物して届けるサービスなんです。

 

良いサービスだとは思うのですが、これがなかなかうまくいかなかったらしいんですよね。なぜなら、買い物には人それぞれのこだわりがあったから。たとえばバナナひとつとっても、一房3本のものもあれば4本のものもある。醤油にもマヨネーズにもお気に入りの銘柄がありますよね。そういったことで時間がかかってしまい配送件数がこなせず、結果うまくいかなかったみたいです。

 

こういったサービス、ほかにもやりようはあると思いますし、これから高齢者向けのサービスはニーズが高まると考えているので、なでしこTOKYOならではのサービスを作っていきたいと思っています。

 

5.今後始める新規事業の構想はありますか?

宮内―

軽貨物配送業界は、荷物の配送にこだわる必要はなかうて、車がある、人がいるという状態から新しいサービスを生み出すことができると思っています。

 

なでしこTOKYOでは、2022年からペットタクシーの事業を開始しようと考えています。特に高齢の方は、ペットを病院に連れていくのが大変だという方も多いので、社会貢献性も高いと思っています。

 

6.軽貨物配送企業の経営で心がけていること

石田さん―

やはり企業や店舗の看板を背負って代わりに運ばせていただいているわけですから、イメージを傷つけないのはもちろん、依頼主様の気持ちを尊重して運ぶということを徹底しています。もちろん、企業専属便に限った話ではありませんが。

 

宮内―

そうですね。実際にその会社(依頼主様)の社員だというくらいの気持ちで仕事することが大事だと思っています。そのくらいの気持ちを持たないとどうしても他人事のような仕事になってしまうんです。単なる“委託”ドライバーだというマインドで仕事をしていると、どれだけ気をつけても態度に出てしまうんですよ。

 

石田さん―

ドライバーとしては、荷物を運ぶ先もお客さんですし、荷主さんもお客さんなので、気遣いが本当に必要な仕事ではありますよね。

 

7.軽貨物配送業界での仕事を考えている方に

石田さん―

軽貨物配送業界での人材についてはまだまだ問題が山積していて、特に長く続く人が少ないのが現状です。せめて1年以上は続けていかないと仕事の良いところもわからないですし、続けることで自分の成果にもつながってきます。会社としてもできる限りフォローしていくので、一緒に頑張っていきたいですね。

 

宮内―

そうなんですよね。すぐに辞めてしまう人は、配達することを楽しいと思う前に辞めてしまうんです。でも、短期間みただけではどんな仕事も楽しくはならないと思います。「稼げるからやりたい」とか「運転だけで楽そう」という理由の方は、楽しさを見出すことができずに辞めてしまうのかもしれません。

 

うちのドライバー達は楽しさを見出して働いているなと思います。定年もない仕事ですし、面白そうかもと思える人はぜひトライしてみてほしいです。

 

まとめ

どの業界にでもいえることではありますが、軽貨物配送業界にとってもこの1〜2年は激動の年となりました。社会の大きな変化に応じていかに柔軟に対応し、その時々のニーズに合わせていけるか。また軽貨物配送を単なる荷物運びと捉えずに、広い視野を持つことでまだまだ新規事業の広がりの可能性を感じました。

 

インタビューに答えてくださった石田社長、宮内社長。このたびはありがとうございました。

なでしこTOKYOのお仕事紹介

男性の方はこちら

なでしこTOKYOの仕事を動画で見る