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2018/04/11

社長・宮内が女性ドライバーに見出す新しいキャリアの可能性

なでしこTOKYOです。 私たちは「キャリーウーマン」といって、女性だからできる新しい配達サービスを提供しています。 今回は配送の仕事で女性が輝ける場を作ろうと日々奮起しているなでしこTOKYOの社長、宮内にインタビューを行いました。 宮内が配送業で独立することを決心した経緯から女性のセカンドキャリアにかける想いまでたっぷりお送りします。

 

家庭に入ってから湧き上がる社会復帰への想いと起業への一歩

──社長としてなでしこTOKYOを立ち上げ、独立するまでの経緯を聞かせてください。

 

そうですね、まずは前職の話をしましょうか。元は配送業とは畑違いの仕事をしていたんです。30歳の頃から病院の電子カルテシステムのプロジェクトメンバーとして全国でシステムを導入するための立ち上げ事業に尽力していました。退職前の2〜3年はその会社が設立した電子カルテの導入インストラクターの派遣会社の管理業務を担当していたんですが、体調を崩してしまったことと再婚を機に38歳で退職しました。

 

家庭に入ったので専業主婦になったわけなんですが、3ヶ月目にして「暇すぎてダメだな」って思っちゃって(笑)。仕事をせず家事だけの単調な生活に何か変化が欲しい!っていう一心でペットを飼いはじめて自分の子供を育てるような気持ちでお世話したりもしたんですけれど、最終的に行き着くところは「働きたい」っていう社会復帰への想いだったんです。

 

そこで、退職してから2年後の40歳には東京商工会会議所の創業ゼミナールに足を運ぶようになりましたね。事業計画書の作成法などを学ぶような座学形式の講義が多かったのですが、中でも私に大きな影響を与えたのは創業ゼミナールの卒業生講演会でした。実際にゼミで学び、成功を収めた方がおっしゃっていた「起業するまでに1000人と名刺交換ができるほどの出会いがあったからこそ自分は成功できた」という言葉がすごく印象的だったんです。当時の私は起業したいという漠然とした気持ちはあったものの、具体的にどんな事業をしたいのかわかっていませんでした。そんな時に、たくさんの出会いが成功につながったというお話を聞いたことで「私も多くの方と出会おう。その中で何かやりたいことのヒントを得られるかもしれない」と道筋が見えたのです。卒業生講演会の後に、私は創業ゼミナールのOBである弁理士さんが参加している交流会にお願いして連れて行ってもらい、そこから多くの方と知り合えるような場に顔を出すようになりました。その時の私は本当に1000人と名刺交換するつもりでした(笑)。

 

なでしこTOKYOを立ち上げるまでの紆余曲折

 

たくさんの方と会ってお話していく中で、「好きなことで起業したいな」という気持ちが芽生えるようになりました。なので、最初は着付けの先生として起業しようと考え、実際に着付けの先生としてしばらくやっていたんです。ただ、着物って「教える」ことで儲かるビジネスではなく、「着物を売る」ことで儲かるビジネスなんです。本当なら教室の生徒さんに着物を売るべき場面でも自分の着物を貸してあげちゃうことが往往にしてあって……。着物のことは好きだけど、私の性格を考えるとビジネスとしてやるには向いていないなって徐々に感じるようになりました。ビジネスではなく趣味になってしまっていたので(笑)

 

一方、いつしか私の手元には本当に1000人以上の社長の名刺が集まっていました。ちょうどその頃、「うちの会社に事務員を紹介して欲しい」と声をかけられるようになりました。それに、私の身の回りにも子育てが落ち着いてきたからまた働き始めたい、という人が何人もいたことを踏まえ、今度はワークシェアリングによる事務の代行会社を立ち上げました。事業内容としては本来1人でやる事務仕事を2〜3人の主婦からなるチームで代行する、というものです。

 

ですが、この事業も苦戦しました。事務経験のある人に求人をかけていたにも関わらず、面接に来た方の中で実際に事務スキルを持っていると判断できる人が10人中1人しかいない、という事実が発覚したのです。というのも、彼女らが家庭に入って10年ほどパソコンから離れていた間に技術が目まぐるしく変化していたことで、現在求められる事務作業に対応できなくなっていたのです。1人は採用できるものの、残りの9人は対応できる案件がないため採用することができなかったのがすごく悔しかったですね。この採用の現状を目の当たりにしたことで「キャリアが空いてしまって、事務ができなくなった人が働ける仕事ってないのかな」と考えるようになりました。ですが、ゆっくり悩んでいる暇もありませんでした。膨大な求人費用が出ていくのに充分な人員を確保することができず、いつのまにか会社の資金繰りが厳しくなったからです。事務仕事ができる人があまりにも少なかったため、私自身も事務の仕事を請け負う始末でした。

 

今後どうしていこうか……そう思案していた頃に出会ったのが軽貨物を営んでいた社長でした。配送業界が伸びていることをそこで初めて知った私は「すごいなぁ」と思ったのですが、まだこの段階ではどこか他人事のように考えていました。どこかで配送業は男性の仕事、という固定観念があったからかもしれませんね。けど、この社長さんとの出会いからしばらく経ったある日、ふと「あれ?もしかして軽貨物の仕事って女性でも出来るんじゃないか?」と思い浮かびました。早速その社長に連絡して尋ねてみると「女性ドライバーでも出来る仕事だよ」と言われたのです!

 

この時に、私は女性ドライバーこそが「キャリアが空いてしまって、事務ができなくなった人」でも出来る仕事なのかもしれない、と思ったのです。私自身は車の運転ができないんですけどね(笑)。女性が運送会社をやるなんてうまくいかないんじゃないかって思われていたんですけど、私はむしろ女性だからこそ受け入れられると考えていました。そして立ち上げたのがなでしこTOKYOです。紆余曲折の末に辿りついた、女性のキャリアの新しいあり方に対する私なりの答えです。

 

女性ドライバーの付加価値を高め、女性のセカンドキャリアとしての有力な選択肢になっていきたい

──なるほど。過去の事業を通して感じたこと、そしてたくさんの方との出会いが生み出したのがなでしこTOKYOだったということですね。実際になでしこTOKYOを始めて感じる女性による配達ニーズってどの程度ありますか?

 

 

ニーズはすごくあります。けれど、働く側の配送業界へのイメージが依然としてかなりネックになっているのが現状です。配送業は超男社会なのでドライバーはもちろん、同業の女社長はほとんどいません。潜在的なニーズも含めて考えると、女性が活躍できる場面はかなり多くあるのに、男社会という現状を打破しない限り、女性が進んでこの業界に足を踏み入れようとしないのはもったいないし最大の課題ですね。そもそも、女性だからこそ出来る配送の仕事も徐々に増えて来ていますが、それが広く知られていないので、認知度を高めていくのも一つのカギになるでしょう。

 

──宮内さんはこれまでセカンドキャリアという視点を重視してきたと思うのですが、なでしこTOKYOは社会復帰を考える女性にとってどのような会社だと思いますか?

長く続けられる会社だと思います。ドライバーはまさに子育てを経験したような方に向いている仕事だと思うんですよね。事務仕事のように専門の知識やパソコンの技術を必要としない代わりに人との接し方、コミュニケーション能力、気遣いが重要な仕事になるので仕事を辞めてブランクがあるような方でも挑戦しやすいと思います。案件によって勤務時間も違うのでその方のライフスタイルに合わせて勤務時間を変えられるのも強みですね。

──今後の展望について教えてください。

もっともっと、女性ドライバーさんの付加価値を高めたビジネスをしていきたいです。女性が社会復帰しやすくなり、そして再び活躍できるように託児所を設置しよう、といった構想も練っています。最終的には女性のセカンドキャリアとしての受け皿になるような仕事をもっと増やしたいですね。なので、今は女性ドライバーとはまた違う、新たなセカンドキャリアの仕事も考えています。「女性が輝ける場を作る」のが私の会社のミッションだと思っているので、これからも邁進したいですね。

 

──ありがとうございました!

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